心臓血管外来
代表的な心臓の病気とその症状
心臓の病気は、多くの場合は、特徴的な症状を伴うので、まず、患者さんの症状を詳しく聞くことが、診断のきっかけとなります。
狭心症
心臓に血液を送る冠動脈が、動脈硬化のために狭くなり、心臓が一時的に血流不足になった状態です。
急いで階段を昇った時のように、いつもより強い運動をした時に、「胸の中央に重苦しい圧迫感、不快感」を感じるのが典型的な症状で、通常2-3分持続し、長くても15分以内で治まるのが普通です。痛みが、胸部以外に、左肩、左腕、のど、上腹部におきることもあります。
夜間に、胸の痛み、圧迫感のために目覚めるなどの症状が特徴である、異型狭心症という疾患があり、これは、冠動脈が痙攣して細くなるのが原因です。
心筋梗塞
冠動脈が血の塊などで詰まってしまった状態で、症状は狭心症の場合より強く、数時間以上持続します。放っておくと、心臓の筋肉が壊死するため、心臓の働きが低下したり、致命的な合併症を起こすため、早急な治療が必要です。
不整脈
正常では、心臓は1分間に60~80回の頻度で規則正しく、拍動していますが、これが、急に早くなったり(頻脈)、遅くなったり(徐脈)、不規則になる場合を、不整脈と言います。
動悸(胸がどきどきする)、急にドキンとする、なんとなく胸が苦しい、気が遠くなる、失神するなどの症状が起きます。
不整脈には、①症状が強くなければ、治療の必要のないもの ②脳梗塞などの合併症を予防するため、内服治療が必要なもの ③生命の危険があり、早急に治療が必要なものがあります。特に、気が遠くなったり、失神を伴う場合は、早急な治療が必要です。
健診の心電図で不整脈を指摘された場合、①の場合が多いので、むやみに心配することなく、早めに専門医を受診してください。
心不全
高血圧による心肥大、心筋梗塞、心臓弁膜症などが原因で、心臓の働きが低下して、体に充分な血液を送れなくなった状態です。
初期の症状は、体を動かした時の息切れ(労作時呼吸困難)ですが、肺気腫(長期間の喫煙などが原因)などの肺の疾患でも同様の症状が起きるので、区別が必要です。
心不全が進行すると安静時も息切れが起こりますが、睡眠中に急に息苦しくなったり、体を横にするとかえって息切れがひどくなるのが心不全の特徴です。これ以外に、心不全では、足のむくみ、腹が張った感じ、食欲低下、全身疲労感などの症状が起こります。